http://www.umigame.org/J1/kyokasyo_hogo.htm... 日本ウミガメ協議会HP
8.誤った自然保護(卵の移植・人工孵化・放流会)
これまで、ウミガメの保護や教育目的を謳った卵の移植と人工孵化、子ガメの放流会が、各地で行われてきました。
日本ウミガメ協議会では、それらの保護効果について否定的に考えています。
その理由は以下のとおりです。
1)これまで知られている人工孵化による孵化率は、ほとんどが50%程度かそれ以下であり、
明らかに自然下での孵化率を下回っているのが現状です。
人工孵化による孵化率が、自然状態での孵化率を保証しない以上、人工孵化はむしろ逆効果であり、
その検証は最低限必要であるはずですが、それさえもほとんどなされておらず、
そのような状況下での人工孵化は行うべきではないと考えています。
2)ウミガメは卵の時期に過ごす温度環境によって性が決まりますが、卵を人工孵化場や砂浜の別の場所に移植することによって、
当然砂の中の温度をはじめとする環境は変わりますので、性の決定だけでなく、
発生や孵化後の成長に与える影響が心配されます。
3)人工下で孵化した子ガメは、放流まで飼育することになりますが、
水族館や研究施設以外で良好な飼育環境を準備するのは難しく、
子ガメが死亡したり、病気になったりしてしまう可能性が高いと思われます。
なんとか放流にこぎつけても、その後の生残や成長に対する影響も心配されます。
4)人工孵化個体の放流の多くは、教育目的の放流会と称して日中行われていますが、
夜間の自然孵化に比べて、子ガメが捕食される確率が高くなると考えられます。
5)孵化直後の活発に前肢をバタバタさせる時期を逃すと、
遊泳力が低下し、速やかに沖に出ることができなくなってしまいます。
6)砂から脱出したカメは海を目指して一目散に移動しますが、
最近の研究ではその過程で移動している方角と磁場との関係を学習すると言われています。
しかし、人の手によって放流した場合、その学習を正常に行っていないために、
沖に向かってうまく泳げない可能性があります。
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